l'amant ラマン　今宵の恋人

部屋の中、雨音が遠ざかり、代わりに静けさと心音だけが支配していた。蒼のチャイナドレスが、床に落ちる音がした。それはまるで、戦いの後に剥がれる鎧のようだった。「……見てるだけじゃ、ダメよ」彼女は挑発するように、片足をベッドに乗せ、引き締まった太ももをさらけ出した。鍛え抜かれた脚線美には、柔らかさと力強さが共存している。彼の視線が、その脚を這い上がるのを感じると、彼女は自らその手を取り、内腿へと導いた。「私、強い女って思われてる。でも、ここではちがう……」その言葉の裏に、長年抑え込んできた欲望の揺らぎがあった。警官として、正義の象徴として生きる彼女にとって、こうして誰かの前で素肌をさらすことは、ある意味、戦いよりも危うい。男の指先が、彼女の股間に触れる。まだ何もされていないのに、湿り気はすでに彼の指先を濡らしていた。「……バカ、もう気づいてるくせに」彼女は自ら脚を絡ませ、男をベッドに押し倒した。チャイナスリットの深さが、そのまま彼女の積極性を物語っている。身体が交わるたびに、彼女の中で‘戦士’が崩れ、‘女’が芽吹いていく。腰を打ちつけるたびに、小さく息を呑み、目を閉じるたびに、どこか遠い世界へ落ちていく。「こんなに……乱れるなんて、思ってなかった」呼吸は熱く、肌は汗ばみ、脚は絡みつき、音が重なり合う。夜が深まるたびに、二人は‘強さ’という仮面を剥ぎ合いながら、本当の素顔で交わっていった。「……んっ、だめ……そこ、強く……っ！」彼女の声が漏れた瞬間、男はそれを待っていたかのように、さらに深く、激しく腰を打ち込む。そのたびに、彼女の鍛えられた腹筋が震え、張りつめた胸が上下に揺れた。「んぁっ……ああっ……や、んっ……そんなにしたら……っ！」普段は絶対に見せない、脆く、甘く、とろけるような表情。脚技の名手であるその太ももは、いまや男の腰をしっかりと挟み込み、離さない。「もっと……もっと、突いて……っ、んぁっ……！」激しい刺激に、彼女の声は次第に上ずっていく。汗ばんだ肌がベッドに張りつき、背筋を反らすたびに、快感が全身を駆け抜ける。「っく……あっ……あぁぁ……！ い、イク……もうっ……だめぇっ……！」その瞬間、身体が震え、脚が跳ねる。彼女は男の背に爪を立て、背中を反らせながら、深い快楽の波に溺れていった。「はぁ……はぁ……すご……い……私、こんなに乱れたの……初めて……」戦いの中で見せる冷徹さはどこにもなかった。そこにいるのは、ただひとりの、女だった。「……でも、まだ……終わりじゃないわよ？」彼女は汗で濡れた前髪をかきあげ、また男の上にまたがる。「次は、私の番だから――覚悟して」