オグロック金蔵

夫を亡くし、娘・まゆを育ててきた加奈には、現在付き合っている男…悟史が居る。彼は夜の方も上手く、何より紳士的であり、加奈はこの人なら…と、既に心を決めていた。そして加奈は悟史に「そろそろ娘に…」と切り出す。すると悟史の方も「うん、挨拶するね」と二つ返事。話はトントン拍子に進み、まゆとの顔合わせも上々、全てが順調に思えた。そしてある日、まゆが一人で居る夜。そこへ何故か、悟史が訪れてくるのだった…。

かつて才気に溢れていた中島洋介も今年で40を数える。運無く挫折を味わい、実家に帰っては来たものの、生母は離婚、父は見知らぬ女と再婚している始末で、それがまた彼の鬱屈した思いに拍車をかけている。当の親父は息子のことなどそっちのけ、まるで当て付けの如く新しい妻・充子と毎晩楽しんでいる有様。洋介に取ってみれば、それが充子を母よりも女と見るようになってしまったのも、当然と言えば当然の成り行きであった…。

母が他界して10年。その連れ合いだった男…水乃英夫。二人にとっては義理の父であるその男と始めた三人暮らし。最初は優しかった英夫だったが、日に日に二人への執着は増し、今や束縛を越えて支配とも言える有様である。姉・夏子35歳、妹・こず恵30歳。普通の生活を諦めた二人の唯一無二の楽しみ。それは、姉妹で身体を重ねることであった。依存か代償か、取り留めのない快楽の果てに二人を待ち受けるものとは…。